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『The Sinking City ~シンキング シティ~』評価・レビュー・感想 SAN値ピンチなクトゥルフ神話アドベンチャー

  今回は『The Sinking City ~シンキング シティ~』をクリアしたのでレビューしていきます。
  なお、本作はCERO「Z」指定ソフトとなりますので記事を読む際にはご注意ください。

総評

プレイ時間:約20時間
個人的評価:Cランク(自分には合わなかった)

 クトゥルフ神話の世界観がベースとなっているオープンワールドアドベンチャー。街や住民の雰囲気に関してはよく作られており、プレイ中に気が滅入る程度には狂気を感じられる。
 ゲームとしての操作感・アクション性は悪いものの、それがかえってクトゥルフ神話の狂気を煽っており、ストーリー展開的にも序盤の雰囲気は最高といえる。
 しかし、良くも悪くも雰囲気ゲーであるため、ゲームとして面白いかと言われると評価は付け難い。また、ストーリーも後半は失速するため、肩透かし感が強い。少なくとも自分には合わなかったため、Cランクとする。

 クトゥルフ系のゲームとしてコールオブクトゥルフのレビュー記事も書いています。

 よかったら参考にしてくださいね。

The Sinking Cityってなに?

 『The Sinking City』は「Frogwares」が開発し、「Frogwares」「Nacon(旧BIGBEN INTERACTIVE)」より2019年に発売されたPS4・PS5・Xbox One・Xbox SeriesX/S・Switch・PCでプレイ可能なゲームです。ちなみに自分が今回プレイしたのはPS5版で2021年2月19日に発売されました。

 内容としてはクトゥルフ神話の世界観がベースとなっており、オープンワールドの世界を探索しながら「オークモント」と呼ばれる都市の謎を解き明かしていくホラー要素が強いアドベンチャーゲームとなっています。

舞台はオークモント。洪水により荒廃としています。
出典:The Sinking City ~シンキング シティ~ | PlayStation



それで具体的にはどんなゲーム?

不気味な街を練り歩く探索推理アドベンチャー

 ゲームとしては、推理パートがメインのアドベンチャーゲームとなっています。
 オープンワールドのゲームであるため、自由に探索できますが基本的にはクエスト(進行目標)を選択し、その目標に沿って探索していきます。

 そして、目的地に到着したら必要な数の証拠を集め、主人公が謎を解き明かすという形でクエストは進みます。推理とはいっても証拠は自然と集まるため、そこまでガチガチの推理物ではないです。
 オープンワールドでよく「目的地に到着」→「何者かに荒らされている」→「周辺で犯人の痕跡を探せ」みたいな展開がありますが、このゲームもだいたいそんな感じです。

 証拠(主人公が当時の状況を妄想、もとい推理)を順番に選ぶ、証拠となる新聞記事をゲーム内の図書館で検索して探す、見えない壁などを探すというところは比較的ほかのゲームと比べると推理っぽいかなという気はします。

 この推理要素は難易度調整をすることができます。ガチで推理したいという人以外は簡単な難易度にした方がいいと思います。その方がさくさく進めるので。

洪水により水没している地域が多々あります。移動するためにはボートが必要な場所も。
出典:The Sinking City ~シンキング シティ~ | PlayStation



乏しい物資で戦う戦闘パート

 このシンキングシティの舞台であるオークモントですが、洪水の被害により物々交換が行われているほど荒れています。ここではお金は意味を持たず、銃弾がその代わりになっている状況です。

 そんな街で満足に戦えるほどの物資は整えられません。(序盤は)回復薬や銃弾が枯渇し続け、雑魚敵からすらも逃げる羽目になります。ちょっと強めの敵が現れるとそのままボコられてゲームオーバーです。

 もともと推理・ホラーがメインのゲームであるため、敵に銃弾全部使うぐらいじゃないと勝てないという程度の主人公の強さはゲームの雰囲気にマッチしていてよかったです。出てきてほしくないところで強敵が現れると絶望する、そのハラハラ感が面白かったです。

 ちなみに主人公は強化できるのですが、後半は雑魚敵くらいなら標準装備のスコップで殴り勝てます。弾丸も終盤は余るので思う存分トリガーハッピーできます。調子に乗ると銃弾を作る素材が枯渇してしまいますが。

 戦闘も難易度調整ができるので個人的には簡単な難易度をおすすめします。通常の難易度でも序盤は物資が普通に枯渇するので、アクション要素に慣れていない人には結構厳しいです。

スキルを覚えて主人公を強化できます。強化すれば雑魚敵くらいには殴り勝てるように……なるかも。
出典:The Sinking City ~シンキング シティ~ | PlayStation



よそ者にはとにかく厳しい街 オークモント

 この主人公がやってきた街オークモントですが、よそ者にはとにかく厳しいです。
 洪水によって荒れ果てた街、外部との接触もなかなかしにくいという事情もありますが、住民はやたらと偏見にまみれています。

 洪水で被害を受けたとはいえ、街はひどい有様です。そこら中海藻や腐った魚だらけで、家には穴があいて浸水しまくりです。正直、復興しているのかも怪しいレベルで普通なら住まないと思うのですが、住民は平然と生活しています。終末論者みたいな恰好をした人も平然と歩いています。大丈夫か、この街。
 
 一部地域では怪物が出没するので、住民たちはバリケードをつくってその地域を隔離することで何とか耐えています。とは言いつつもバリケードのすぐ隣で生活しているのでたまに怪物に襲われています。大丈夫か、この街。

 そんな極限状態の街なので住民も疑心暗鬼です。住民として生活しているインスマス人(魚のような顔をした人々)が迫害を受けたり、逆にインスマス人に襲われたりと無茶苦茶です。だいたいの住民は精神がやられており、目がガンギマリでバキバキです。大丈夫か、この街。
 なお、主人公は問答無用で迫害されます。新参者なので仕方ないね。

 主人公がこんな街にわざわざやってきた理由ですが、主人公はひどい悪夢にうなされており、その悪夢の原因を探るためです。新参者の主人公にみんな何も教えてくれないので、信頼を得るために探偵業を行います。しかし、そんな探偵業をして街のことに詳しくなっていくうちに、徐々に街を取り巻く狂気と陰謀に巻き込まれていくというストーリー展開です。

 ちなみに余談ですが、一番新参者に厳しいのはこのゲームです。
 目的地を表示してくれず、ヒントしか教えてくれません。そのヒントも「アドベント(ゲーム内地域名)」にある~通りと~通りの間という表示です。どこだよとなりながらマップから通り名を一生懸命探すことになります。
 あまりにも不親切なゲーム設計ですが、オークモントの住民なら地域や通りの名前は当然憶えているので、迷子になるのは新参者の主人公が悪いとこのこと。新参者なので仕方ないね。

お家に帰りたいと彼には伝えたいです。
出典:The Sinking City ~シンキング シティ~ | PlayStation



面白かった点、不満点について

面白かった点について

序盤の雰囲気が最高。とにかく続きが気になるストーリー展開。サブクエストも面白そうな設定のものが目白押し。やはり、クトゥルフ神話が題材のゲームはストーリーにワクワクさせられる。

自分で各ストーリーの展開や結末を選べるのがよかった。あのとき、あいつを選んでいれば何か違ったのだろうかといったような、ストーリーへの没入感を味わうことができた。

敵と主人公の強さ関係がちょうどよかった。自分の持てる素材をすべて使えば倒せる、だけどそれをしたら今後戦えない→敵がきたら逃げないと、といった展開になることが多く、本作のホラー要素とよく合っていた。

不満点について

・よくも悪くも雰囲気ゲー。ストーリーもサブクエストも設定は面白そうなのに、実際の密度が足りない。えっ? これで終わりというものが多かった。ひどいものはアイテムを入手して、そのフレーバーテキストを読んで終わる。面白い設定を自分の想像力で補完するようなゲーム。

主人公にやたらと寄りがちな視点のTPSのため、プレイしていて若干気持ち悪くなる。ゲーム内の不気味さををより増進するため、ここまで計算していたのであれば脱帽です。そうでないなら、設定で変更できるようにしてほしかった。

ボスというボスがいないので戦闘が物足りない。また、敵の種類も少なすぎる。基本となる数種類しかいないのでは? そういうゲームではないと言われればそれまでだが、世界観に力も入れてよかったのでは。

建物が使い回されているので、推理パート時に答えがどこにあるのかわかってしまう。ゲーム作成の労力上仕方ないのかもしれないが使い回すにしても多少は変化が欲しかった。

敵に囲まれるだけで精神がやられそうになります。ちなみに主人公は狂気に陥ると勝手に敵の幻覚を見てやられそうににもなります。対策は抗精神薬を注射することだ! 狂気に科学で立ち向かうのは斬新。
出典:The Sinking City ~シンキング シティ~ | PlayStation



さいごに

 ストーリーについて不満点を書きましたが、個人的にはとても惜しいと思っています。設定はとても面白いし、力が入っているクエストはプレイしていて面白かったです。

 アクションや推理パートはそこそこで問題ないので、ストーリーの密度に力を入れていれば傑作といえるレベルで話題になったのではと考えてしまいます。

 いろいろ書きましたが合う人には合うゲームだと思います。

こんな人におすすめ

・クトゥルフ神話が好きな人
・ホラー系アドベンチャーゲームが好きな人

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