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PS5 ゲームレビュー

【クリア後感想・レビュー・評価】『Returnal』死んでも死ねないローグライクTPS

2021年5月3日

 今回は『Returnal』をクリアしたので、レビューしていきます。
 一部ネタバレを含むので注意してください。
 (5月5日更新 6周ほどクリアして評価が変わったので、「面白かった?」「不満点はある?」「総評」の内容を更新しています)



プレイ時間:18時間(1週目クリアまでにかかった時間)、現在は50時間
個人的評価:Sランク(神作)Aランク(傑作)

 TPSアクションとしては間違いなくSランクのゲーム。しかし、ストーリーの難解さ、バグの多さにより現状はAランク(それでもAランクが付くくらいにアクションが面白かった)。
 現状はフルプライス製品というよりはアーリーアクセスのような印象。フルプライスとしてみると物足りず、アーリーアクセスとしてみると完成度がとても高い。

Returnalってなに?

 『Returnal』は「Housemarque」が開発し、「ソニー・インタラクティブエンタテインメント」より2021年4月30日に発売されたPS5でプレイ可能な新感覚ローグライクTPSのゲームとなります。

 内容としては、死ぬたび(=ゲーム内でのゲームオーバー)に繰り返し最初の場所で蘇り(ゲーム内での初期地点)、死なないでゲームクリアを目指すゲームです。

 もちろんローグライクなので死ねば装備などは全ロストとなりますが、恒久装備という一部の装備やアンロックしたもの(ゲームの進行上必要になる装備など)や装備の経験値などは継続されます。

 死ぬたびに強くなるゲームがこの『Returnal』です。

 ゲーム性としてはTPSで動きも軽快なため、ストレス要素なくサクサクと敵を倒して進むことができます。
 ただ、敵が無数の弾を同時に放ってくる弾幕STGのような攻撃をしてくるため、それを上手く避ける必要は出てきます。

 ストーリーとしては、まず最初は何もわからない状態(ゲーム内の主人公さえ)で未知の惑星を探索していくこととなります。探索を進めていくたび、そして、死んで蘇るたびに少しづつ真実が明らかになっていく展開となっています。

 死んで蘇るという性質上、主人公の精神が少しずつやられていく感じが心にきます。

未知の惑星。未知の文明。未知の生物。すべてが謎。それらが徐々に解き明かされていく。
出典:Returnal | PlayStation



それで具体的にはどんなゲーム?

ハイテンポな弾幕TPS

 ジャンルとしてはTPSのため、撃つのがメインとなるのですが、スプリント(通常移動の走る)やダッシュ(緊急回避的な突進)にジャンプなどのアクションがあるため、意外と軽快に動き回ることができます

 そのため、単純な前後左右に進むだけのTPSではないため、上下の動きも加えて攻撃や回避ができます。

 また、主人公自体の移動速度も速いため、動きがもっさりしておらずストレスフリーなところがいいです。操作性の不快感により難易度を上げているゲームではないため、個人的には高評価です(操作性の不快感とは、動きがもっさりして思った通りの動きができないこと)。

 基本的にはスプリント、ダッシュ、ジャンプで敵の攻撃を避けながら、攻撃をしていきます。
 また、敵の攻撃を受けずに敵を倒すと主人公のアドレナリンが溜まっていき(最大で5レベル)、アドレナリンを溜めることでより攻撃に有利な効果が付きます。なお、敵の攻撃を受けるとアドレナリンはリセットされるため、敵を上手に倒せば倒すほど有利になるシステムです。

 敵の攻撃は弾幕といっても差し支えないくらいの苛烈な攻撃で戸惑いますが、よくよく見ると攻撃を避けられるスペース(特にボス戦)があるのでよくできているなと感心しました。

間一髪で敵の攻撃を回避!
出典:Returnal | ゲームプレイ画面
敵は大量。攻撃も苛烈。まさに弾幕。
出典:Returnal | ゲームプレイ画面



様々な武器・アイテム・アーティファクト・パラサイト

 武器も豊富ですが、武器以外のアイテムも豊富なのがこのゲームです。

 まず武器についてですが、色々な武器があり探索を進めることで武器の種類を増やすことができます。ただ武器自体はローグライクのため、敵を倒して手に入る武器はランダムドロップで好きな武器を手に入れられるわけではありません。

武器について

 ハンドガン、マシンガン、アサルトライフル、ショットガン、電気ワイヤー、グレネードランチャー、ロケットランチャーのような武器があります。
 それぞれ一長一短で、敵を倒してその武器の経験値を溜めることで、特殊効果が解禁されます(敵を倒すと手に入るアイテム量の増加、敵を貫通、チャージショットなど様々)。

 そのため、ハンドガンも解放される特殊効果によっては劇的に強くなります。なお、武器の特殊効果はその拾った武器ごとに違い(ローグライクではよくあります)、またレベル(ゲーム内では熟練度)が高いほど付属している特殊効果の数も多くなります。

 また武器には通常の攻撃とは別にセカンダリファイアという一定時間毎にリチャージされる特殊射撃があり、これにも敵を追尾、跳弾など様々あります。



   また、武器とは別に消費アイテムがあり、これらは一度使用することで消費されます。体力回復や敵に攻撃するものなどがあります。中には「使用者を詳細不明のロケーションに転移させる。」といった独特な効果を持つアイテムもあります。

 また、それとは別にそのアーティファクトとパラサイトという要素があります。これらを装着することで主人公をより強くすることができます。特にアーティファクトの効果は絶大のため、積極的に集めていきたいものとなります。

アーティファクトについて

 アーティファクトは主人公を強化するアイテムです。敵を倒して手に入る素材(オボライト)で作成したり、探索中に発見したりできます。
 装着することで得しかしないため、積極的に探していきたいです。最大で15個装着できますが、自分がプレイ中に15個も溜まることは1回しかありませんでした。
 効果としては近接攻撃力上昇、アドレナリンレベルに応じて敵に与えたダメージの一定量体力を回復、消費アイテム(鍵)を一定確率で再消費可能、一定確率で敵のシールドを破壊、死んだらその場で復活など色々あります。

パラサイトについて

 パラサイトは探索するとそこら辺に落ちているアイテムです。装着することでバフ、デバフを受けます装着するとゲーム内で主人公が実際にパラサイトされている外見になるため、見た目は若干気持ち悪いです
 アーティファクトとは違い、メリットだけがあるわけではなく、例えば、体力が上がる代わりに回復効率低下や回復効率が上がる代わりに武器を拾えないなどの効果が付きます。そのため、自分が妥協できる範囲の効果を持つパラサイトだけ装着していくことになります。
 最大で5体装着できます。

セカンダリファイアの一例。複数の弾を同時に放つ。
出典:『Returnal』ゲームプレイ画面



世界観について ループ物は自分との戦い。徐々に壊れていく主人公

あらすじ

 未知の惑星に墜落してしまった主人公。探索中、現地生物に襲われ死んでしまう。
 そして目覚めるとまた墜落現場に。どうやら死ぬ度にここへ戻ってくるようだと死のループに囚われたことに気づく主人公。
 ループから逃れるために探索を続けていく。
 奥へ進んでいくたびにおかしなことが増えていく。なぜか異様なほどに馴染む現地に残された謎のテクノロジー。あるはずのない我が家が目の前にある。死を繰り返すたびに自分が自分なのかすら確信が持てなくなっていく。そして……。

 大まかなストーリーは上記のとおりです。ネタバレになるので詳しくは書きませんが、どこか根源的恐怖を感じるストーリーでした。

 最初はただ探索を進めていく主人公を操作していきます。序盤から専門用語とかを言うので(ゲーム内で説明は出ますが)、何言ってんだこいつとなりながら共に進んでいきます。
 しかし、探索を進めていくにつれて、死のループによってかおかしくなりつつある主人公の発言に、別の意味で何言ってんだこいつとなります。
 序盤から終盤にかけて謎から恐怖そして真実へと変わっていくストーリー展開は面白かったです。ああ、そういうことかと。

 あと単純に自分がSF的世界観が好きなので、現地文明の歴史やテクノロジーに心揺さぶられました。

現地に存在する未知の文明の痕跡。謎の技術。
出典:『Returnal』ゲームプレイ画面
あるはずのない主人公の家。なぜここに存在するのか、謎が深まる。
出典:『Returnal』ゲームプレイ画面



面白かった?

 とても面白かったです。個人的に今年一番面白いゲームでした。
 単純にゲーム性自体が面白いですし、ストーリーもなかなか気になる展開で最高でした。

 ゲーム自体は難易度が高いときいていたのですが、そんなことは全然なく、ほとんどのボスを初見で倒すことができました。初見で倒すことができなかったボスは2体だけで、その2体も行動パターンがわかった2回目は余裕で倒すことができました。
 パターンさえ読み切れば簡単に対処できる、ただしパターンがわからないと苦戦するといった調整で歯応えがあって良かったです。
 正直、ボスよりも道中のモンスターラッシュが発生する部屋に閉じ込められた時の方が苦戦しました。ここでは何回もゲームオーバーになりましたし。やはり、戦いは質よりも量なんですね。

 体力が万端であればボスには基本勝てて、回復アイテムがあれば余裕で勝てる程度の難易度です。
 周回すると敵が若干強くなるらしいですが、今のとこ強くなったのかな? といった感じで1週目と2週目であまり違いはなく、強化は感じられませんでした。

 アクションが苦手な人でも繰り返しプレイしてパターンに慣れればボスは倒せるし、道中探索してアイテムなどを集めて主人公を強化すれば体力も2倍近く増やせます。また、あるアイテムを使うことで死んでもその場で復活できたり、装備などを引き継いだまま最初からやり直し(墜落地点)ではなく、そのステージの最初から復活したりすることもできます(具体的に説明すると3面で死んだら1面からやり直しではなく、3面から装備を引き継いだままやり直しができる)。
 結構、救済措置がある印象でした。ただし、死んだらその強化装備もゼロになるので、そこで諦めずにもう1回プレイできるかが大事かなという感じです。

 ストーリーに関しては上で述べたとおりです。複雑でよく練られた設定のため、ワクワクが止まりません。
 絶対、何も知らずにプレイした方が面白いと思うのでここでは何も書きません。特に予備知識も必要ないと思います(ゲーム内の情報だけで楽しめる)。


 また、個人的に面白いと思ったのが家に入るシーンでした。ここだけ一人称視点となり、ホラー要素も若干ある展開となっています。物語の進行に合わせて家の内部も変化しており、どこか小島監督の『P.T.』を彷彿とさせました。実際はどうかわかりませんが、オマージュ的なものもあるかもしれません。

5月5日追記

・ストーリーについて
 ストーリーは相当難解です。現在与えられている情報でははっきりとしたことがわからず、推測の域を出ません。真エンディングに到達するまでは間違いなく傑作でストーリーは楽しいです。到達後はどういうこと? となるため、ゲーム内の情報(データログ等)で紐解いていく必要があります。

 考察するにしても情報が少ないので、もしかしたらアプデやDLCでの補完も考えているのかもしれません。
 

家の中では一人称視点となり、思わず振り向くのが怖くなるほどの雰囲気です。
出典:Returnal | PlayStation



不満点はある?

・最初のステージが暗いせいで、敵の攻撃がまぶしい
 自分の映像設定のせいかもしれませんが、敵の攻撃は基本的に彩度が高いぎらついた色合いをしています。そのため、最初のステージが暗い森(遺跡)であることにより、激しく眩しくてチカチカします。結構、目が疲れたのでここのステージだけ画面の明るさを変えるなどの対策をした方がいいかもしれません。
 ここの色については、上にある実際のプレイ画面の画像(ハイテンポな弾幕TPSの項目)を見てもらえれば分かると思います。

・中断セーブがない
 ローグライクや難易度低下の要因になることを懸念してのことだと思いますが、中断セーブがありません。
 ゲームを始めるときに注意書きが表示されますが、ゲームを中断したい場合はレストモードにする必要があります。それ以外での中断=ゲームを終了すると最初からやり直し(そのループでの最初のステージからやり直し。3面まで進んでいたら1面からやり直し)となります。
 これがやっかいで、1回だけエラーでゲームが落ちたのですが、最初からやり直しになりました。このときは探索していい装備と回復アイテムを集めていいところまで行っていたので相当萎えました。
 自分の都合でゲームをやめるからやり直し、ならいいのですが、エラーで落ちてやり直しは相当萎えます。ここだけは改善してほしいかなと思いました。

・バグやエラーがある
 上記の中断セーブの項目でも述べていますが、進行不能バグ(自分の場合はそのままアプリケーションエラー)や音のエラー(同じ音が繰り返し連続で鳴り続ける。敵の攻撃の音がガガガガガと鳴り続ける感じ)などに自分はなりました。
 音のエラーはボスとの戦闘中に発生して相当鬱陶しかったですが、うるさいだけで気にせず進めていたら勝手に直りました。進行不能バグについて、自分は1回だけだったのでよかったですが、複数回発生するとやる気がなくなるので発生しないようにしてほしいですね。一応自分は1回だけでした。
 また余談ですが、音のエラーが発生したとき、主人公が頭の中で音楽が鳴りやまないというので、音楽どころか同じ音がガガガガガと鳴ってうるさいこれが音楽? と思っていたらエラーだったのが少し面白かったです。

5月5日追記

・バグについて
 トロフィー取得にバグ(倒した敵を倒していないことになっている、チャプターをクリアしていないことになっている)があり、そのバグが出るとトロコンすることができません。
 敵を倒していないことになっているバグは再度倒すことで取得できましたが、チャプタークリアの方は同じデータで再度クリアしても取得できませんでした(おそらく元データを削除して、新規でやり直す必要がある?)
 さすがに修正アプデがあるとは思いますが、ゲームは絶対トロコンしたいという人には現状おすすめできません。

・エンドコンテンツについて
 クリア後ですが、武器の経験値を溜めたり、集めていないデータを集めたりなどぐらいしかすることがなく、エンドコンテンツ的要素が薄いです。せっかくのローグライクなので、無限に潜れるダンジョンがあってもよかったのではと思ってしまいます。

・難易度について
 1週目は確かに歯ごたえがあったのですが、2週目以降は慣れてしまって簡単に感じてしまいます。2週目以降は難易度が上がっているそうなのですが、特段それは感じられませんでした。エンドコンテンツの薄さと相まって不満を感じてしまいます。正直、閉鎖部屋に大量のドローンと閉じ込められた時ぐらいしか負ける要素がありません。アプデ等でエンドコンテンツと併せて難易度が変更された別モードでも導入されると個人的に嬉しいですね。

この記事を書くために調べていて知ったのですが、他プレイヤーの操作していた主人公の死体を発見して、装備品を回収したり、仇を討ったりするオンライン要素があるらしいです。まったく気付かなかったので今後意識して探すつもりです。
出典:Returnal | PlayStation



さいごに

 繰り返しになりますが、個人的に今年一番面白いゲームでした。PS5を持っている人は絶対買った方がいい作品で、本当に完成度が高いです。

 1回クリアして終わってもいいし、ローグライクにより周回してもランダム要素で楽しむことができます。(と最初は思っていたのですが、難易度が自分にとっては簡単なため、どちらかというと淡々と敵を処理していくだけの作業感の方が強いです)。

 歯応えある硬派のゲームがプレイしたいという人におすすめです。(と最初は思っていたのですが、思ったよりも簡単です。ここは個人差があるところなので何とも言いがたいですが、人によっては初見でボスを倒せる程度の難易度です)。

・歯応えのあるアクション、シューティングゲームが好きな人
・プレイヤースキルが試されるゲームが好きな人
・ローグライク要素が好きな人
・ループ物のストーリーが好きな人

  • この記事を書いた人
お茶目な「ななさき」

ななさき

年間プレイ時間1000時間、毎月新作を1本はプレイする生粋のゲーマー。 ゲームレビューとゲーミングデバイスの使い心地を発信するブログ「ななさき」の運営者。

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